2018.02.19

サーマルシールドが出来た訳 Vol.5

『時は金なり』だとか『巧遅は拙速に如かず』だとか『思い立ったが吉日』などと言われる中で、悩んでいても進まないので、とりあえず思いついた『サーマルシールド』なるものを作ってみて乾燥炉の内側に貼ってみることにしました。はじめは半信半疑。工事が終わってスイッチオン。『あれ?』最初の感想。『およ?』次なる感想。この仕事ももう20年にもなる。今までにこの乾燥炉からどれぐらい放射熱があって、この『サーマルシールド』なるものでどれぐらい放射熱が抑える事が出来ているのかは、僕らが一番わかる。

従業員らと目を見合わせて、『こりゃ、凄いね。』 放射熱の感じ方が全然違う。

ぷぷぷ。完成。

さて 明日から 会社に来た人に自慢しよー。

2018.02.13

サーマルシールドが出来た訳 Vol.4

久々の更新になってしまいました。

『サーマルシールド』が出来た訳 続きます。

ハーレーのエキゾーストパイプに施工すると放射熱を抑えることがわかり、何か他に使えないかなと考える日々でした。

ある工場環境改質展に誘われて出かけることになりました。いわゆる工場環境を良くしましょう的な展示会です。『熱風炉の断熱対策!』と大きく看板が出ているブースがありました。中を拝見させていただいたところ、乾燥炉の外側に断熱塗料を塗装して炉外壁の温度を下げるといったどこかで見たことのあるものでした。取りあえず担当者の方に質問してみることにしました。『熱風炉の内壁に塗って断熱できる塗料無いの?』と聞いてみる。 『そんなものは無い』予定通りの冷たい回答。さらに食い下がってみます。『外壁側塗るより内壁側塗った方が効果的じゃない?』と再び聞くと『確かにその方が効果的かもしれん。でもないものは無い』との素晴らしい回答。 残念な思いで会場を後にしました。

さてその工場環境改質展からの帰り道。突然降りてきましたよ。ナイスアイデア。

ハーレーのエキゾーストパイプに塗った断熱セラミックコーティング。熱風炉の中にコーティングしちゃえば良いんじゃない? 500℃位なら大丈夫だって言ってたしエキゾーストパイプは内側コーティングできないから、外側コーティングしている訳だし、より熱源に近いところにコーティングしたら効果的かも。直接コーティングするのは大変だから、何か鉄の板にコーティングして貼り付けしたら良いかも。帰り道の車の中で思いつきました。

 

2017.12.05

サーマルシールドが出来た訳 Vol.3

『とにかく頑丈な塗装を』とのご依頼を受けて、従来取引頂いている塗料代理店様、塗料メーカー様に色々ご紹介頂きましたが、どれもどこかで見たことがあるものばかり。イマイチ、ピンと来ません。ところがある日ネットの中で見つけたのがセラミックコーティングでした。

ネットの中で、このセラミックコーティングが施工された板をハンマーで叩いている動画がありました。ガンガン叩いているのに割れない。ヒビすら入らない。最初の感想は『ちょっとありえないね』僕らもこの仕事は長いので塗装の知識は普通の方よりはあるはず。当時私の父親も会社にいて、この動画を見たときに『今はコンピューターが発達してる。これは画像処理だな』と、昭和の職人さんですな。でも昭和の職人であっても、非常に柔軟な発想の持ち主でもあって、一度行って見てきたら?と。そこで、東京にあるこのセラミックコーティングの輸入総代理店に伺ってちょっとこわもての社長さまに色々ご説明、体験させて頂きました。その時の感想は『疑ってごめんなさい。こりゃ凄いわ』と即導入決定。オーディオ機器の会社様のご要望にもお応え出来る塗装の強度です。

使っていくうちに、このセラミックコーティングには色々種類があって、強度の強いもの、断熱性、放熱性など特徴があるのが分かってきました。偶然機会に恵まれてハーレーのマフラーにこのセラミックコーティングを施工しました。ハーレーも年々エンジンが大きくなることで、エキゾーストパイプからの放射熱が酷く夏場の暑い時期にはとても乗っていられないとのことで、普通は夏なのに厚い長ズボンを履いて乗らなきゃならないとのお話だったのに、マフラーにセラミックコーティングをしたところ、半ズボンでも乗れるとの事、放射熱はかなり軽減できる事が分かりました。

2017.11.20

サーマルシールドが出来た訳 Vol.2

熱風炉からの放射熱は色々な人に相談してみるも、なんともならないままに時は流れていきました。

そんな中で2008年になり、やってきました、いわゆる『リーマンショック』何がショックなのか良くわからなかったけれど、それまでの市場環境は大きく変化し、それまでメインであった自動車産業の海外現地調達化の流れもあって、従来の自動車関係の仕事は激減しました。そんな状況もあり新しい仕事を探さざるを得ない状況になりました。

『捨てる神あれば拾う神あり』とは良く言ったもので、今までは従来の自動車関係の動向しか気にしていなかったのですが、いざ世の中を見渡してみると、僕らみたいな塗装業者と職人さんの減少、意外に多い塗装のニーズなど、様々な発見がありました。

そんな際に出会いました、オーディオ機器の製造会社様。(かなりの大手です。今後ともよろしくお願いします。)

ある新規開発の打ち合わせの際に『とにかく今までの常識を超えるような強度の塗装はありませんか?』と依頼されました。

結果的にこれが新しいキッカケになるのです。

2017.11.17

サーマルシールドが出来た訳 Vol.1

ブログの内容を『サーマルシールド』だけに絞るとはっきり言って書く内容が限られる。内容を『サーマルシールド』のみに限らずアップしていこうと思います。と言いつつも今日は『サーマルシールド』の出来た訳について。

弊社は金属塗装が生業だ。名古屋の堀田でもう50年近くやっている。名古屋の堀田と言うのはかつてはある企業の企業城下町みたいなところで、昔は小さな工場が沢山ひしめきあっていたのだが、例に漏れずある企業の海外移転に伴い今では工場も数えるほど。色々思うところもあるが、それはまた別の機会に。

金属塗装の中でも焼付塗装というものがある。細かい説明はいずれするとして、塗装して、オーブンで焼くと思ってもらうと良いかもしれません。

塗装後の製品を焼き付ける。はっきり言って熱い。凄く熱い。新品の焼き付け炉なら断熱材も良く効いて快適かもしれないが、こっちの焼き付け炉は40年を優に超えている。断熱材は多分もう効いていない。冬には暖房がわりになって良いのかも知れないが、夏は地獄だ。工場のなかは50℃近くにもなる。それにそもそも焼き付け炉は暖房がわりにするものではない。

なんとか、ならんもんかね?

と思い過ごす日々でした。

次回に続く。

2017.11.01

感想まとめ。

『サーマルシールド』なるものを、皆様に公開させて頂いて約2週間。その開発段階でも多くの人に見学して頂きました。見学された方もかなりの人数になりましたのでよくある感想をまとめてみます。

弊社の『サーマルシールド』設置済みの乾燥炉に近づいて頂き放射熱低減効果を体験して頂くと…。

『乾燥炉の内部が250℃になってる熱さじゃないね。』
『放射熱がほとんど無い。』

『外側断熱は何もされてないのに、この断熱性能は凄いわ』

『30年も使ってる炉なら、当初設置した断熱材の効果はもうほとんど無いね。この断熱効果は後付けした『サーマルシールド』だけの効果だと思う』

『何でこんなに断熱するの?』

『厚みが2mm? 鉄板含めて?』

『何か他に仕掛けがあるんでしょ。実は裏側に断熱材仕込んであるとか』→ありません。

他にも色々感想頂いています。

見学のお問い合わせはお気軽にして下さい。導入予定が無くても構いません。見学者の半分近くの方がこのままの『サーマルシールド』を導入されると言うよりも、『サーマルシールド』加工を使いたいと言われます。厚みが約2mm(ベースの鉄板含む)の塗る断熱材。お問い合わせお待ちしています。

2017.10.24

大見学会!

今日も見学に来て頂きました。今日のお客様は総勢5人。メンバーには若い女性も。『サーマルシールド』は作りが簡単で、効果も簡単に体験して頂ける製品です。『サーマルシールド』の断熱効果には皆様驚かれたご様子でした。『サーマルシールド』加工の他の製品への転用の議論も盛り上がっています。このように見学はいつでも出来ます。お問い合わせはお気軽に。

2017.10.24

サーマルシールドの断熱効果。

サーマルシールドの断熱効果に関する簡易的な実験を以前に行いました。サーマルシールド加工した実験片とサーマルシールド加工していない実験片を用意して、片側からヒートガンの温度を300℃に設定し10分間熱します。

10分間熱した後に表面の温度と裏面の温度をそれぞれ計測しました。

サーマルシールド加工した実験片は熱した表面の温度が224℃ 裏面は85℃

サーマルシールド加工していない実験片は表面の温度が123℃ 裏面も同じく123℃

サーマルシールド加工をする事よって表面と裏面に温度差が生じます。即ち断熱効果が発揮されています。

この断熱効果がある板を工業炉内壁側に取り付ける事によって、工業炉からの放射熱を抑制し、工業炉内部の熱効率を上げる事が出来るのが『サーマルシールド』なのです。

2017.10.23

台風

ようやく名古屋は台風も収まったみたいです。皆様、被害はなかったでしょうか?

2017.10.19

ブログはじめます。

株式会社三陽の磯貝です。ブログはじめます。